日本の袋物の歴史を記した貴重な資料です。
目次
沿革
○, 嚢物の意義
○, 腰佩物
○, 手提物
○, 懐中物
○, 衣服入
○, 香嚢
○, 有職嚢
○, 楽器嚢
○, 武具嚢
○, 茶器嚢
○, 意匠物
○, 外國製品
材料
○, 皮革
○, 嚢物材料としての革
○, 織物
○, 染物
○, 刺繍
○, 摺込繪
○, 貴金属
○, 寳石と貴石
○, 準寳石
○, 人造装飾物
○, 木竹牙角
技工
○, 嚢物の仕立
○, 革仕立
○, 帛仕立の種類
○, 金工
○, 打紐
○, 刺繍
○, 彫金
○, 彫刻
○, 蒔繪
○, 髪漆
貿易
○, 我が國貿易の歴史と嚢物
商工事蹟
○, 商業家事蹟
○, 工藝家事蹟
著者:井戸文人
発行所:株式会社 思文閣
発売日:大正8年3月25日発行・昭和49年2月25日復刻
寸法:225×160×55ミリ・886ページ
定価:8500円
なぜ日本でこんなに美しく繊細な装飾の袋物が発展していったかと言うと
明治9年の廃刀令が大きかったようです。
昔から刀は武士の魂と言われ、この刀に千金をかけることが上流武士の常であり
徳川300年、この刀のアクセサリーである根付けや印籠、小柄などには
腕の良い職人達が技を競い腕をふるっていたことでしょう。
それが廃刀令が出て、いつも腰から離すことのなかった脇差しが腰にないと
腰まわりが淋しく、その代用として腰差しのたばこ入れを持つ人達が増え
それまで刀の装飾専門だった名工たちの仕事も刀からたばこ入れに変わり
そのまま繊細な装飾のぎじゅつが袋物に活かされたというわけです。
たばこ入れは、単に喫煙に便利な道具としてのみならず、庶民の数少ない
装身具(装飾品)としてなどの他、いろいろな付加価値がつけられました。
そのために、さまざまな素材を用い、非常に凝った造りのものも多く見られ
ひとつひとつが、さながら、江戸・明治の小さな美術館を形成しているとも
申せましょう。江戸時代を通じ、数多くの袋物が存在した中で
それらに影響を与えその発展に大きく寄与してもいました。
現在では喫煙形態の変化と共に、たばこ入れが用いられなくなり
制作に携わった職人の技術もほとんど絶えてしまいました。
今回の刊行により、失われた技術や江戸の意匠の粋を皆様にご覧いただけますことは
喜びに堪えません。
〜「たばこ入れ」の刊行にあたってより〜
目次
「たばこ入れ」の刊行にあたって
目次
凡例
カラー図版
○, 一つ提げ
○, 提げ
○, 腰差し
○, 懐中
○, その他
○, 火打袋
○, きせる筒
○, 金具
モノクロ図版
○, 一つ提げ
○, 提げ
○, 腰差し
○, 懐中
○, その他
○, 火打袋
○, きせる筒
○, 金具
○, 未完成品
資料編
○, 「たばこ入れの歴史」
○, 「たばこ入れの形と素材」
○, 用語解説
○, 蔵品目録
編集:たばこと塩の博物館
発行所:財団法人 たばこ産業弘済会
ISBN:488234002X
発売日:1986年3月31日
寸法:303×215×20ミリ・257ページ
昨日、紹介した「江戸に遊ぶ -嚢物にみる粋の世界-」の超豪華版とでも言いましょうか
これまで紹介した袋物の書籍のどれよりも綺麗に大きく細部のつくりまで良く分かる
素晴らしい逸品ばかりを集めたものです。
この時代の職人達はなんと粋で遊び心のある良い仕事をしていたんだろうと
わくわく見入ってしまう程に凄い一冊です。
私の袋物コレクションの発端は、少年時代から始めた浮世絵木版画の蒐集で
蒐集研究しているうち、錦絵の人物等の風俗に興味を持ち、腰間に提げているものや
半纏から覗く鎖り、美人の襟元から提げた錺金具は何か、という素朴な疑問がわき出て
更に蒐集研究に没頭した。私の家は、戦前まで日本橋茅場町で袋物商を営んでいた。
何か先祖の血と運命を感じる。30年前、手に入れた江戸時代の紙入れをきっかけに
袋物の蒐集が始まった。その頃は、浮世絵商や古美術商も昔気質で、貧乏な若僧を
気の毒に思い数十回払いの割賦で、しかも良い品物を分けてくれた。
私の浮世絵蒐集の師匠が「商人はお客様に良い物を、安く持って戴くのを信条とし
自分では絶対に蒐集してはいけない」と常々言っておられたが正に正論である。
近年この精神がなくなったのは嘆かわしいことである。
最後に、今まで日の目を見ることがなかった無名の工人の念の入った作品を
本書の出版により細部のディティールまで、より鮮明に表現しご覧戴けることは
望外の喜びである。各部分に技術と創意を競い、作り上げた総合芸術ともいえる
袋物、この小さな袋物に凝縮した日本人の美意識の素晴らしさに改めて感動してしまう
ものである。 〜あとがきより〜
目次
○, 序文 手作り細工品の極地
○, 図版 燧袋 合提げ 巾着 袂落し お守り
○, 煙草入れ
○, 紙入れ
○, 鏡入れ 筥迫 華鎖り
○, 動乱 手提げ袋 銭入れ 薬入れ 魚袋
○, 江戸の総合芸術ー袋物の世界とその周辺
○, 工芸家系譜図
○, 職方分業図ー袋物ができるまで
○, 袋物各部名称図ーたばこ入れ・筥迫
○, 用語解説
○, 掲載作品リスト
○, Fukuro-mono : The All-Encompassing Art of Edo, by Hideo Hirano
○, List of Illustrations
○, あとがき
編著者:平野英夫
発行所:株式会社 求龍堂
ISBN:4763098268
発売日:1998年10月12日
寸法:303×230×33ミリ・327ページ
定価:30000円+税
1998年にサントリー美術館で開催された「江戸に遊ぶ -嚢物にみる粋の世界-」展の
図録です。
江戸工芸の有数の収集品を誇る百楽庵(ひゃくらくあん)コレクションを中心に
嚢物のほか染色・絵画などの関連資料併せて220余点紹介されています。
目次
○, 江戸嚢物の素材について
○, 江戸のお洒落、嚢物の系譜
○, 図版
○, 嚢物のかたち
○, 細工に遊ぶ・季節を楽しむ
○, 舶来物への憧れー古渡りの世界
○, 御守り
○, 女の晴れ姿ー粋
○, 男の伊達姿ー勇み肌
○, 逸品嚢物
○, 参考資料
○, 用語解説
○, 出品リスト
会期=平成10年3月10日(火)ー4月19日(日)
カタログ編集・発行=サントリー美術館
寸法:171×169×10ミリ・108ページ
江戸・明治・大正時代につくられた貴重な袋物の写真の他、資料編として
嚢物年代史や嚢物の沿革史、技工編や資材編も貴重な内容になっています。
江戸時代数多くいろいろな袋物が存在した中で、江戸の名工作品数十点を中心に
明治・大正初期のものを加え、中には古く14世紀から15世紀にかけて造られた
金唐革を素材とした名品の数々が、袋物参考館二階陳列室に往時の顔を揃えて
保存されております。
往時の名工の秘技と江戸袋物から明治大正にかけての流れが随所に見られ
特に様々な素材を思うように生かした緻密な技法と粋な表現力は
現在の袋物製造行程と考え合わせる時複雑な思いが致します。
この度、これ等資料を書籍として刊行するにあたり、232名様の御賛同と
この筋ではまことにご造詣の深い株式会社中村清商店市川力三氏・
株式会社ストック小島山本唯夫氏の両氏ご支援ご協力を得て発刊の運びとなりました。
江戸の意匠の粋と、極めて緻密な技術をご覧いただき、後世いついつ迄も貴社の
貴重な参考資料としてご活用戴けますれば誠に幸甚に存じます。
〜刊行にあたってより〜
編纂:嚢物考古集編纂委員会
発行所:東京袋物商工協同組合
発売日:1987年12月20日
寸法:303×216×18ミリ・160ページ
徴古裳(ちょうこしょう)とは、中村家二代目「清」が収集した袋物・染織品の
貴重なコレクションです。
稔(三代目)が創業70周年時に先代「清」の収集したコレクションを整理して
一冊の本に纏めて出版し、全国の百貨店・専門店に創業70周年の記念として
配られたものです。
凡例
一, 『微古裳』は中村清コレクションの全貌である。
一, 袋物編と染色編に分類し、それぞれに原色図版と単色図版および
開設・図解を加えた。
一, 図版の順番は、原色・単色図版とも時代順とし、素材・文様・技法および
種類によって名称を表記した。
一, 図版番号は、すべてを通し番号とし頁番号は省略した。
一, 時代考証・名称は京都国立博物館工芸室の切畑健技官が担当した。
目次
<袋物編>原色図版・単色図版
袋物について---------------市川力三
袋物の用語解説・年譜・図解
佐賀錦について-------------毛利愛子
中村清商店の金唐革---------徳力彦之助
<染色編>原色図版・単色図版
中村清コレクションの染色---切畑健
微古裳に付いて------------堀江武
著者:市川力三
著者:毛利愛子
著者:徳力彦之助
著者:堀江武
著者:切畑健
発行所:フジアート出版
発売日:1975年6月10日
寸法:337×260×28ミリ・127ページ
定価:25000円
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